新タイム・ボカン

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zoom RSS ★第一話:「ボース星人との遭遇だペッチャ」

  作成日時 : 2006/12/03 07:02   >>

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木江田
「マージョ達との戦いが終わって一週間が経ったが、毎日穏やかな日が続いてるのう。」
==>
ペラ助とオタケが木江田の所まで飛んでくる。
ペラ助
「丹平ちゃん、淳子ちゃん、早く昼飯にするペッチャ。腹減ってたまらないペッチャ。」
オタケ
「博士、むき餌はないかしら?」
ペラ助
「むき餌よりシュークリームが欲しいクッチャ。」
木江田
「むき餌なら少しは有った筈じゃ。」
ペラ助
「むき餌よりシュークリームが欲しいペッチャ!」
オタケ
「むき餌でいいのよ、あなたは!」
ペラ助
「それは無いクッチャ。お前はそう言う性格が悪いペッチャ!」
オタケ
「何よ、あなたなんかお部屋のお掃除もしないで遊び呆けていて、だからあなたはダメなのよ!」
==>
ペラ助とオタケは喧嘩する。丹平と淳子、後からチョロ坊が、奥の部屋から歩いてくる。
丹平
「さっきっから何騒いでんだよ!」
淳子
「また喧嘩してるの?止めて。ダメよ、夫婦喧嘩しちゃ。」
木江田
「事情はわしが全て聞いてるわい。ペラ助はシュークリームが食べたいのじゃと。」
ペラ助
「そう。シュークリームが食べたいペッチャ。」
丹平
「またか!お前今朝三個も食べたじゃないか。もう、お前の分無いぞ。」
オタケ
「あら、あなた3つも食べたの?それじゃ無しよ、みんなの分考えなきゃいけないわよ。」
ペラ助
「あっ、いや、そのぅ、あれはつまり朝食の分で、昼食としてシュークリームを食べたいペッチャ。」
丹平
「シュークリームは俺と淳子ちゃんと博士とオタケさんの分しかないから、もうペラ助の分は無いぞ。」
ペラ助
「あーっ、それはないペッチャ。酷いペッチャ。コクだペッチャ。」
==>
ペラ助は泣き出す。
丹平
「お前な、みんな一個ずつしか食べられないんだからな。お前は三個も食べられたんだぞ。その事をよく考えてみろ。」
ペラ助
「あー・・・シュークリーム、シュークリームが・・・トホホッ・・・。」
淳子
「ペラ助、私のをあげるわ。」
ペラ助
「あーっ、有り難いペッチャ!」
丹平
「待てよ淳子ちゃん、シュークリームは一人一個しかないんだ!それにペラ助は今朝三個も食べたんだぞ。」
淳子
「私は今度の機会でいいわ。ペラ助は今食べたいのよ、泣いて頼んでるし。そうよね、ペラ助?」
ペラ助
「そういう事なの・・・」
オタケ
「しょうがないわね、ペラ助は!」
==>
淳子は冷蔵庫の扉を開けてシュークリームを取って持ってくる。そして淳子はペラ助に差し出す。ペラ助は受け取るが、その直後にチョロ坊が奪い取る。
ペラ助
「何するペッチャ!」
チョロ坊
「お前、淳子ちゃんにお礼言ったのか?」
ペラ助
「あっ、まだだった。淳子ちゃん、有難う。」
チョロ坊
「口を大きく開けて!」
ペラ助
「あーん。」
チョロ坊
「ほらよ!」
==>
チョロ坊はペラ助の口の中へ、強引にシュークリームを突っ込む。
ペラ助
「アワワワワ・・・」
チョロ坊
「ウッハッハッハッハ・・・、のどから手が出るほど欲しかったんだろう!?今のお前は凄く幸せだろう?」
ペラ助
「オワオワオワ・・・」
チョロ坊
「返事をしろ!」
==>
チョロ坊はペラ助の頭を殴る。そのショックで、ペラ助はシュークリームを丸飲みしてしまう。
チョロ坊
「どうだ、美味かったろうシュークリームは。」
ペラ助
「なんて事するペッチャ!酷いペッチャ!」
==>
ペラ助はチョロ坊にクチバシで当たる。チョロ坊もペラ助を捕まえようとする。
丹平
「止めろよ、二人共!」
淳子
「止めて!」
友田の声
「大変だ!」
丹平
「何だ!人の声が外から聞こえたぞ!」
==>
友田がレコード・シートを持って、入室して来る。ペラ助とチョロ坊の喧嘩が止まる。
木江田
「おおっ、友田博士!どうしたのじゃ?」
友田
「木江田博士。わしは一週間前から、この研究所から発進したタイム・ボカンのそれぞれの行き先での調査をしていたのじゃ。毎回マージョ達に出くわして現地で戦闘を強いられてきたのじゃから、歴史が変わってしまうような惨事や取り返しのつかない事が、戦闘の後に起きてはならんと思っとったのじゃ。それでわしは木江田博士から受け取ったタイム・ボカン全発進場所に、一斉に、時間移動できる小型メカを送って現地のその後をわしの研究所で調査をしておったのじゃ。」
淳子
「私達が行った先に小型メカを一斉に発進させれば、わざわざ友田博士が行って調査するよりも早くできるし手間もかからないっという事ね。」
木江田
「淳子。発進させると言っても、両手に乗る位の鳩型のメカじゃよ。それで友田博士、どうされたのじゃ?」
友田
「地球ではタイム・ボカンは一度だけ未来に行っとるが、実はそこからとんでもない事件が起きてるようなのじゃ。タイム電話を通じて彼らの一部の方々と連絡が取り合えたのじゃが、ボース星から来たボース人が、地球の未来のあちこちの時代に現れては容赦なく攻撃を仕掛けてくるそうなのじゃ。」
一同
「えー!」
チョロ坊
「ボース人とか言う奴らは、地球を爆発させるつもりなんだよ!」
丹平
「いや、違う!地球を壊したいんだったら、文明が発達していない過去の方がやり易い事は奴らも知ってる筈さ。それに何故、地球の未来の色々な時代に現れるんだ。奴らが地球の未来をタイムトラベルする度に攻撃も加えてくる。博士、どうしてなんですか?」
木江田
「うーん、きっと地球のどこかの時代にある何かを探してるんじゃろう。友田博士、連絡を取り合えた彼らと、他に聞き取れた事は?」
友田
「残念じゃが彼らもボース人の攻撃を受けてしまった様じゃ。もう、全く連絡は取れん。じゃが、攻撃を加えた後直ぐに撤収してしまう事と、ボース人は”タイム・スライド・エリア”と言うものを使用して戦闘機等をそこで製造していると言う事じゃ。」
丹平
「”タイム・スライド・エリア”って何ですか?」
友田
「わしもよく判らんのじゃが、とにかくその工場内で製造された物は、一度に同じ物の数を短時間に増やせられるそうじゃ。しかも、ボース軍の戦闘機は同じ未来の過去と未来に現れた同一物の一方を撃ち落しても、同一物であるにもかかわらず、撃ち落された1つしかダメージを受けないのじゃ。」
木江田
「何じゃと!」
丹平
「同じ物が過去と未来に来て、一方を倒せばもう一方だって倒れる筈なのに、どうしてそんな事が起こるんでしょうか?」
友田
「それがまだ解明できていないのじゃ。ただ、彼らは地球を滅亡させるつもりでも征服するつもりでもない事だけは確かじゃ。木江田博士が言われた様に、地球の未来に有る何かを探しに来てる様じゃ。」
木江田
「何を探しとるのか判らんが、未来の地球の方々が被害を被ってる事は確かじゃ。未来の地球の科学力を持ってもそれほど戦果があげられない位じゃ戦闘能力は相当有る様じゃな。このまま放って置く訳にはいかんわい。」
淳子
「ええ、未来の地球全国の方々が可哀相だわ。」
丹平
「博士、タイム・ボカンで出発しましょう!」
木江田
「そうじゃ、出発しよう。」
友田
「このレコードシートは連絡を交えられた彼らの時代に送った小型メカから得たデータが記されているのじゃ。何かに役に立つ事が有るじゃろう。木江田博士、これを受け取って貴方のコンピューターにかけて下され。もっと他の事が解明できる筈じゃと思う。」
木江田
「有難う、友田博士。」
友田
「わしは小型メカで、地球の未来のあちこちへ向かわせてもっと調査・研究を重ねてみたいのじゃ。後の事は頼みますぞ、木江田博士。」
木江田
「うん。皆で協力して何とかしてみるわい。」
友田
「うん。では・・・」
==>
友田は出て行く。木江田は皆の方を向く。
丹平
「博士、タイム・ボカン1台で発進するのは危険かも知れませんね。」
木江田
「わしもそれを考えとったよ。」
オタケ
「2台以上で発進、というのはどうかしら?」
ペラ助
「なるほど、さすがオタケ。僕の妻は頭が良くなきゃ務まらないペッチャ。」
オタケ
「あんたからそんなふうに言われたくないわよ。」
ペラ助
「アレーっ・・・、夫として情けないペッチャ。」
木江田
「オタケさんには悪いがうっかりそんな事もできんのじゃよ。」
オタケ
「えぇ!どうしてなの、博士?」
木江田
「2台以上のメカで発進すると言う事は、乗組員を分散すると言う事じゃ。ボース人の軍隊が、どれだけの能力が有りどれだけの事ができるのか全く未知の状態じゃ。わしらは敵と戦闘を行う際連携攻撃をした事が一度も無いんじゃ。失敗したら大変な事になるのじゃぞ。」
丹平
「そうか、じゃあ、どうしたら・・・」
木江田
「タイム・ボカン1号,2号,3号の、全てのメカの機能を併せ持たせた新しいボカンを完成させて、コンピューターが選んだボカン1台と同伴させるしか他に無いじゃろう。新開発するボカンにはどのボカンをも遠隔操縦ができる様にし、各ボカンにも若干の改造を施さなければなるまい。最悪の状況に追いやられても、各ボカンから各ボカンをコンピューターを経由してコールできる様にしなければならんのじゃ。」
丹平
「なるほど!そうか。」
淳子
「未来に行って行動不能になっても、そこからタイム・ボカンを来させられる様にするのね。これができるようになると大分違うわ。」
木江田
「丹平君。この研究所の地下も改築し、コンピューターのデーター変更と、ボカンの改造を先に済ませてしまおう。」
丹平
「はい。」
ナレーター
「こうして、木江田研究所はみんなで地下の改築が行われた。タイム・マシーンは今まで3台しか置けなかったが、タイム・マシーン発進準備場所を拡張して、新マシーン用と何かの緊急着陸用に備えて2つ整備した。更に、今までタイム・マシーンの組立工場が1階だったのを、地下に設けるようになった。1階は、タイム・マシーンが2台発進できる様に改装され、それにあわせてコンピューターの改良、そしてデーターの変更も加えられた。これにより、タイム・ボカンは2台同時発進が可能となったばかりでなく、改良されたタイム・ボカンのどのマシーンからでもタイム・トラベル先から研究所に残ってるマシーンを呼ぶ事ができる様になったんだよ。」
淳子
「やっとできたわね!」
丹平
「フーっ、やっとできた!」
チョロ坊
「珍しくペラ助が良く働いたもんな。」
ペラ助
「”珍しく”は余計だペッチャ。」
オタケ
「みんなが一生懸命働いてるのにペラ助だけサボってたら、あたしが許しませんわよ。」
ペラ助
「みんなが必死で働いてたから、僕だけ遊んでたらシュークリームが一生貰えないと思ったペッチャ。」
丹平
「何か言ったか!?」
ペラ助
「あっ、いや、僕だけ遊んでたらみんなに悪いペッチャ。僕は働く時にはしっかり働く真面目な性格だペッチャ。」
オタケ
「ほんとかしら?」
淳子
「でも、ペラ助がいて本当に助かったわ。さっきシュークリームを沢山買って来たから、気が済むまで食べてちょうだいね。」
ペラ助
「有り難いペッチャ。早速食べるペッチャ。淳子ちゃん、有難うクッチャ。」
オタケ
「淳子ちゃんダメよ。ペラ助の為だけじゃないんですもの。」
丹平
「いんだよ、オタケさん。みんなの分は分けてしまってあるし、それにこれからやる事はペラ助がいても役に立たないから。」
オタケ
「えぇ!?」
丹平
「新たなタイム・ボカンを新開発しなければならない。これは博士と俺と淳子ちゃんとチョロ坊の4人でやるから、ペラ助が居ても邪魔なだけさ。」
オタケ
「あっ、そう言う事ですものね。」
木江田
「そう言う事じゃよ、オタケさん。」
ペラ助
「邪魔呼ばわりは失礼だペッチャ。でもシュークリームが腹一杯食べれるならいいクッチャ。それじゃみなさん、頑張ってクッチャ。」
ナレーター
「早速丹平君達は新開発するタイムマシーン、タイム・ボカン4(フォー)の開発を始めたよ〜ん。メカブトンの様に底力があり、ドタバッタンの様にすばっしっこく、クワガッタンの様に馬力がある、エンマコオロギ型メカ・コオロッタンの開発が始まったのである。頭部操縦室の下部には、コオロッタンの破損修理や地中を掘る工作機アリコロン(アリ型メカ)、背部には運搬や戦闘も行う偵察機カマキリン(カマキリ型メカ)、背部ドームには6人乗り緊急脱出用機ニゲゼミン(セミ型メカ)が、それぞれ格納された。しかし、ドタバッタンに付けられてる健脚エンジンの開発ができず、その為小さな前脚が体重まで支えきれない為、急遽コオロッタンには前脚と同じ物が中脚として取り付けられ、タイムマシーン初の6脚メカになったんだよ。」
チョロ坊
「やっとこれで完成だ!」
丹平
「博士、健脚エンジンのメカニズムは、ドタバッタンを開発した昆虫人の居る時代へ行かないと判らないんですか?」
ペラ助
「そんな事しなくても、ドタバッタンを調べればいいペッチャ。」
チョロ坊
「ドタバッタンの健脚エンジンを分解して調べるのか?」
ペラ助
「そういう事だペッチャ。」
丹平
「解析するんだろう。その後どうするつもりだ?設計図も何にも無いんだぞ。そんな事して元に戻せなかったらどうするんだよ。俺達はこれからボース人と戦わなきゃいけないんだぞ。」
ペラ助
「そうだったクッチャ。」
淳子
「ドタバッタンが元の戻せなくなったら大変だわ。」
木江田
「ドタバッタンは未来の昆虫人が開発したメカじゃ。そこも一緒に探そう。それとじゃ。」
丹平
「何ですか、博士。」
木江田
「友田博士からもらったこのシートを、ICリコール探索機にかけてみよう。」
丹平
「ICリコール探索機って、何ですか、博士?」
木江田
「ICリコール探索機はじゃな、ロボットの頭脳ICから発した悲しみや恐怖をどこの時代から発せられたかの波長をリコールさせて、場所を突き止めるコンピューターの事じゃよ。」
淳子
「それでボース人が襲って来た時代を探せる訳ね。」
木江田
「そーゆー事じゃ。早速かけてみよう。」
==>
木江田はレコードシートをコンピューターにかける。時代と場所が一行ずつ、次々に打ち出される。かなり長くなっていく。木江田は最後を切り取る。
丹平
「こんなに一杯有るのか!これじゃ全部行くのが大変だよ。」
淳子
「地球の未来に、これだけボース人が何度も攻めて来てるという事ね。地球の将来は、滅茶苦茶になっていないかしら。」
ペラ助
「ほんとに悪い奴らだペッチャ。タイム・ボカンで全滅させてやるペッチャ。」
オタケ
「和平の余地は無いのかしら。」
チョロ坊
「僕は、無理だと思うよ。未来の人達だって交渉した人は居た筈だから。」
丹平
「いきなり襲ってきやがる連中のようだから、交渉の余地なんか無いだろうな。」
ペラ助
「とにかくボカンで出発だペッチャ。」
淳子
「ねえ、おじいちゃん。タイム・ボカン4号はどうするの?」
==>
ペラ助は出発すると思って飛び出して、淳子の一言でずっこける
ペラ助
「おっとっとっと…」
木江田
「テスト発進させる必要があるが、いきなりでは危険じゃろう。何が起こるか判らん。まずはボース人とやらを拝見してからじゃ。」
丹平
「はい、博士。」
オタケ
「ボカンを選び出すコンビューターを動かしますわよ、木江田博士。」
木江田
「うむ。」
ナレーター
「さぁ〜て、新タイム・ボカン最初に発進するメカはどれになるんだろうね?オタケさんが何で最初にコンピューターを始動させたんだか理由が判んないけれど、さっきのICリコール探索機の行き先を先に入力されて、まずは2000年後のサンフランシスコへ向かう事になったんだよ〜ん。コンビューターはさまざまなデーター照合と分析を始め、今回の出撃メカが選ばれた。トップバッターは、タイム・ボカン3(スリー)タイム・クワガッタンが選ばれた。今回からクワガッタンはよりパワーアップされて、改造されたんだよ。」
==>
コンピューターがクワガッタンのランプを点灯させている。手前からメカブトン、ドタバッタン、クワガッタン、奥のコオロッタンが見えかけた手前のクワガッタンが、下の台ごとそのまま前に移動する。前に移動した台は、後方3台のタイム・ボカンの中央までゆっくり移動して、1階へ上がっていく。1階へ上がったクワガッタンは、手前側に移動されられる。それを見届けた木江田研究所メンバーは、クワガッタンに順に乗り込む。
丹平
「2000年後のサンフランシスコに向けて発進。」
==>
丹平、レバーを引く。クワガッタンは全身炎に包まれていきながら爆発音と共に消える。タイム・トンネル内を、クワガッタンは進行して行く。
ナレーター
「一方、2000年後のサンフランシスコでは、ボース軍の攻撃にさらされ始めてたんだよ。」
==>
都心に多数の円盤が、光線攻撃を加えている。あちこちの建物が破壊される。大きなビルも、攻撃されて倒れる。地球側の艦載機隊が応戦するが、殆どが円盤を撃ち落せず、円盤に撃ち落されて行く。母艦も円盤の攻撃を受けて、次々に沈没して行く。岸側の戦艦は、次々に撃沈されていく。円盤の大群は、地上の方へ撤収して行く。サンフランシスコ郊外の丘に、クワガッタンが爆発音と共に現れる。
丹平
「よし、着いたぞ。」
ペラ助
「2000年後のサンフランシスコだペッチャ。」
淳子
「なんだか都市の方が騒々しいわ。」
オタケ
「戦争が起きてるのかしら。」
チョロ坊
「モニターでは相当やられてるように見えるよ。」
木江田
「これは酷い。丹平君、生き残ってる人を探しに行ってくれ。」
丹平
「はい。ビーチクリンで様子を見て来ます。」
木江田
「気をつけてな。」
丹平
「はい、博士。」
==>
丹平は操縦室からビーチクリン格納通路の扉を開けて出て行く。
木江田
「垂直上昇。」
==>
木江田はレバーを引く。クワガッタンの背部の羽根がそのまま垂直に上昇して、左右の羽根が、それぞれ右左に展開する。そしてプロペラの様にグルグル回り出す。クワガッタンは少しずつ上昇していく。クワガッタン背部のビーチクリンが発進する。ビーチクリンは、都市の方へ飛んで行く。丹平は、ビーチクリンの中から外を見る。
丹平
「都市の方で戦争をしているんだな。」
ナレーター
「一方、ボース帝国のこの時代の最高司令官デベソは、ビーチクリンを基地のモニターで捕捉していた。」
デベソ
「なんだ?あのハチの化け物は。」
部下
「どうやらメカの様です。」
デベソ
「メカか。国籍はどこだ?」
部下
「国籍不明です。ですが戦闘機では無いようです。」
デベソ
「戦闘機でなくとも我々の計画を知られては厄介になる場合もある。あのハチメカを撃ち落すのだ!」
部下
「はっ!前線基地より全戦闘部隊を発進させます。」
==>
基地の扉が左右に開き、円盤が次々に発進して行く。
丹平
「ボース人達は引き返したのかな?あっ!」
==>
前方から円盤の大群が現れる。ビーチクリンは方向反転する。
丹平
「畜生!すでに敵に捕捉されてたのか…。こちら丹平、博士、円盤の大群がこちらに向かって来ます。俺達捕捉されてますよ!」
木江田
「なんじゃと!わしらは直ぐ応援に行く。それまで何とかしのぐのじゃ。」
丹平
「はい、博士。」
木江田
「最大出力発進!」
==>
クワガッタンのロケットブースターから大量に炎が噴射させられ、クワガッタンは猛スピードで飛んで行く。クワガッタンのモニターで、ビーチクリンの後方から円盤群が着いて来るのを一同は見る。
淳子
「丹平ちゃん、危ない!」
オタケ
「丹平さん!」
ペラ助
「早くドッキングしないと危険だペッチャ。」
==>
ビーチクリンの後方から、多数の円盤群が接近してくる。そしてそれらの円盤群から、一斉にレーザー光線が発射される。ビーチクリンの尾部と胴体側面2箇所に、それぞれ命中する。命中した各所から、煙が上がる。
丹平
「クソっ、やりやがったなぁ。これでもくらえ!」
==>
丹平はボタンを拳で叩く。ビーチクリンの尾部の針が発射する。針は先頭の円盤に命中し、そこから煙が上がる。円盤群の攻撃で、ビーチクリンの右の後脚と左の前脚が爆発と共に落ちて行く。更にビーチクリンの操縦室上部にも命中し、煙を上げる。クワガッタンのモニターで、一同は見ている。
淳子
「丹平ちゃん!。」
木江田
「丹平君!」
==>
モニターに丹平が映る。
丹平
「博士!俺の事はいいからクワガッタンで戦闘開始して下さい!」
淳子
「丹平ちゃん!」
オタケ
「丹平さん!」
木江田
「もう少しじゃ、丹平君!」
==>
レーザー光線がビーチクリン左右の羽根に命中する。ビーチクリンは二枚の羽根と一緒に、森の中へ吸い込まれて行く。
丹平
「ワー…」
淳子
「丹平ちゃん!」
ペラ助
「丹平ちゃん!」
木江田
「丹平君…。かなり相手は手ごわい、戦闘開始じゃ。」
==>
デベソ基地で、クワガッタンも捕捉していた。
部下
「デベソ司令官。赤いクワガタムシまで現れました。」
デベソ
「一体どこから来た連中なんだ。あのクワガタも叩け!」
==>
円盤群から一斉に光線が発射されるが、クワガッタンは上下左右にかわしきる。クワガッタンのクワが横に回転して、正面から飛んで来る円盤1つ1つに次々と当たり、それぞれは爆発していく。クワガッタンは上下左右に動きながら、スクリューの様に横に回転しているクワにぶつけていく。ぶつかった円盤は、次々に爆発していく。デベソは基地のモニターでそれを見ていた。
デベソ
「何だあのクワガタメカは…。取りあえずボース連合総長に連絡だ。」
部下
「はっ!」
==>
部下は左側のディスプレイスイッチを押す。画面にボースが現れる。ボースは体操をしている。
ボース
「何だ!今体操をしてると言うのにたいそう慌ててる様だな。」
デベソ
「ボース連合総長、昆虫型メカがどこからか現れて、我々の全戦闘部隊を壊滅させられました。」
ボース
「昆虫型メカにやられた?そんな筈は無い。我々ボース軍は昆虫人の世界も支配しているのだ。バッタメカなど現れる訳が無いであろう。」
デベソ
「いえ、バッタではなく、クワガタムシで御座います。国籍不明で御座います。」
ボース
「なに!我々の計画はあえてわしの口から言うまでも無い事だ。判っているな!我々には時間が無いのだ。早くそのメカを叩いて、あれを探すのだ!」
デベソ
「はっ!」
==>
ボースは画面から消える。デベソは振り返る。
デベソ
「我々も出撃するぞ。」
部下
「はっ!」
==>
クワガッタンは森の上空を飛行している。乗組員全員が、クワガッタン操縦室のモニターを見ている。
淳子
「丹平ちゃん大丈夫かしら?」
木江田
「う〜ん、確かあの辺の筈じゃ。チョロ坊、ダンゴロリンで森の中を探すんじゃ。」
チョロ坊
「はいはい。」
==>
チョロ坊はダンゴロリン格納通路の扉を開けて出て行く。クワガッタンの操縦室下部のハッチが開き、ダンゴロリンが出て来て下へ落ちる。ダンゴロリンは丸まって森の中へ落ちて行き、地面でバウンドして止まる。ダンゴロリンは通常スタイルに戻って走行する。一方丹平は、森の奥のビーチクリンの中に居た。
丹平
「あーいてててて…。畜生、ボース人め!」
==>
丹平はビーチクリンの外に出る。そしてビーチクリンを見上げる。
丹平
「これじゃ、修理に時間がかかるなぁ。ほう?」
==>
クワガッタンのプロペラ音が聞えて来る。丹平は、上を見上げる。
丹平
「博士達だ!」
==>
丹平はビーチクリンに乗る。クワガッタンがビーチクリンの頭上近くまで来る。
丹平
「こちら丹平。今クワガッタンの真下位に居ます。」
==>
クワガッタンの操縦室に、丹平の声が聞えて来る。
木江田
「真下じゃ。淳子、モニターを拡大倍率にするんじゃ。」
淳子
「ええ。」
==>
モニターが倍率拡大されて行き、丹平が確認できる様になる。
淳子
「丹平ちゃんだわ。」
木江田
「淳子。ダンゴロリンに連絡し、この西方1キロ先の草原で待ち合わせる様に伝えるんじゃ。」
淳子
「ええ。」
==>
木江田はボタンを押す。クワガッタンの胴体下部からロープが下がって来て、ビーチクリンの上に這い上がった丹平にまで届く。丹平はそのロープに掴まる。ロープは引き上げられる。クワガッタンはゆっくりと、西方へ飛行して行く。丹平は、操縦室に帰還する。
丹平
「いやー、どうもすみません。」
淳子
「丹平君、大丈夫?」
丹平
「こんな事でまいる俺じゃないよ。あっそうだ、博士。ビーチクリンは破損個所が多くて、修理には時間がかかりそうです。」
木江田
「そうか。後で引き上げようかのう。」
==>
木江田はモニターを見る。森の外れの草原が見えて来る。
木江田
「丹平君、あそこへ着陸するんじゃ。」
丹平
「はい、博士。」
==>
クワガッタンは降下して来て、森の手前の草原に着陸する。そこへダンゴロリンも走行して寄って来る。
木江田
「おお、チョロ坊も来たか。」
==>
クワガッタンの操縦室下部のハッチが開く。ダンゴロリンがクワガッタンにドッキングする。チョロ坊はクワガッタンの操縦室に帰って来る。
チョロ坊
「あっ、丹平ちゃん。」
丹平
「博士に助けられたよ。」
チョロ坊
「ああ、良かった。あちこち破損したビーチクリンを見つけたから、丹平ちゃんの事気がかりだったんだよ。博士、ビーチクリンを回収しましょうよ。」
木江田
「そうしよう。じゃがその前に。丹平君、ボース星から来たボース人というのはさっき現れた連中じゃろうな。」
丹平
「はい。俺もそう思います。」
チョロ坊
「奴らの母星はどこにあるんだろう?」
ペラ助
「その星を破壊してしまうのが、一番手っ取り早いペッチャ。」
オタケ
「今は先に、まず敵の本拠地を潰さなければいけないんじゃないかしら。」
淳子
「異星人と争う事は本当は望みたくないけれど、相手が地球を攻めて、地球の歴史や文化を壊す事をする以上は、私達がやらなければならなくなるわ。」
木江田
「そうじゃ。取りあえずこの時代の敵基地を潰すしかあるまい。丹平君、発進じゃ。」
丹平
「はい、博士。」
==>
丹平、レバーを引く。クワガッタンの背部が持ち上がって左右に展開し、右回りに回転する。クワガッタンはゆっくり上昇して、ロケットブースターを噴射させる。同時に飛行ポーズになって飛んでいく。一方デベソ率いる円盤30機が、拠点から発進しようとしていた。
デベソ
「いいか。相手はクワガタメカ一機だけだ。昆虫人の残存かもしれん。調べる必要がでてきた。総力をあげて捕獲しろ。全機発進!」
==>
本拠地の壁が横にスライドして、中から次々に円盤が発進していく。一方クワガッタンは、都市の近くまで飛んで来る。
ペラ助
「敵の基地はどこだクッチャ。」
木江田
「必ずどこかに有る筈じゃ。どこも酷くやられてるのう。そうじゃ、ボース人は都市を攻撃しちょるから、都心の外れに拠点が有るやもしれん。丹平君、郊外へ向かってくれんか。」
丹平
「はい。」
==>
クワガッタンは左へ方向転換する。そして郊外上空に差し掛かる。円盤群をモニターで淳子が確認する。
淳子
「あっ、敵が来たわ!」
丹平
「来たな、今度はさっきの借りを返してやる。」
木江田
「たぶんここの一番偉い奴の編隊じゃろう。あれを叩けば、この時代のボース人は居なくなるとわしは思う。」
ペラ助
「メッタメタにやっつけるペッチャ!」
丹平
「よーし、戦闘開始だ。」
==>
デベソ側は、クワガッタンをモニターで捕捉していた。
デベソ
「やはり現れたか。どうやら我々の存在を知っているようだな。昆虫人かも知れんな。捕獲作戦開始、全機、粘着ゴム爆弾連続発射!」
==>
円盤群から、はだ色の丸い爆弾が次々と発射される。クワガッタンは上下左右に移動して、ことごとくかわしきる。
丹平
「そんなヘナチョコ爆弾に当たってたまるもんかーてんだ!今度はこっちの番だ!」
==>
クワガッタンのクワが回転する。クワガッタンは突っ込んでくる円盤1つ1つの位置に合わせて、回転しているクワをぶつける。当たった円盤は、次々に爆発していく。クワガッタンとすれ違った円盤は、クワガッタンの後方へ回り込み、後方から粘着ゴム爆弾を連続発射する。クワガッタンのエンジン部分などに5箇所付着する。左後脚のローラーにも2箇所付着する。
淳子
「クワガッタンに何か付けられたわ。」
チョロ坊
「でもなんで爆発しないんだろう?」
丹平
「いずれにしてもこのままじゃ不利だ。180度旋回するぞ。」
==>
クワガッタンは上空で旋回して、円盤群へ迫ろうとする。しかし円盤群もクワガッタンの後方へ回り込む。クワガッタンは右へ回り込むが、円盤群は着いて来る。
丹平
「くそー、金魚のうんちみたいに着いて来やがって!」
木江田
「丹平君。一度地面に着陸して様子を見よう。このまま飛んでいても、後からあの変な物を付けられるだけじゃ。」
丹平
「はい、博士。」
==>
クワガッタンは高度を下げて行く。そしてクワを回転させて、着陸したと同時に地面に穴を掘って地中に隠れる。円盤群はその上空を通過する。
淳子
「丹平ちゃん。クワガッタンの後脚のローラーが回ってないんじゃないかしら。」
丹平
「そういえば動く時にガタガタ振動するな。」
チョロ坊
「僕ちょっと見てくる。」
==>
クワガッタンの操縦室下部のハッチが開く。ダンゴロリンがそこから出て来て、ドリルを回しながらクワガッタンの後方へ回り込む。クワガッタンに付着してるゴム球の所でダンゴロリンは止まり、中からチョロ坊が出て来る。
チョロ坊
「これはゴム爆弾だ。よーし…。」
==>
チョロ坊は口から火を噴く。そのゴム球が溶けていく。もう一方のゴム球にもチョロ坊は火を噴く。そのゴム球も溶け切る。
チョロ坊
「これで良しと。」
==>
チョロ坊はダンゴロリンに入り、ダンゴロリンはクワガッタンにドッキングする。チョロ坊はクワガッタンの操縦室に帰って来る。
チョロ坊
「戻りました。博士、クワガッタンにゴムが着けられてました。」
木江田
「そうか。相手はそのゴムをクワガッタンに着けて、動けなくさせてから捕獲するつもりなのじゃ。」
一同
「捕獲!?」
木江田
「丹平君。地上に出て、敵の後方から攻撃するのじゃ。絶対に敵から後方へ回られないようにするのじゃよ。」
丹平
「はい、博士。捕獲なんか絶対にされないぞ。」
==>
丹平はレバーを引く。クワガッタンは穴を掘りながら進み、地上に出る。プロペラ展開してクワガッタンは上昇し、飛んで来る円盤群へ向けて飛行する。円盤群から発射される粘着ゴム爆弾をクワガッタンは避けながら、最初に飛んで来た円盤をクワで挟み、クワを縦に振って、挟んでた円盤を飛んで来る円盤群へ投げ飛ばす。放り投げられた円盤は仲間の円盤にぶつかり合い、爆発する。近くを通過する円盤も、その余波で爆発する。デベソの円盤だけ残る。クワガッタンのクワがその円盤を挟む。
木江田
「丹平君。生け捕りにして奴らの目的と本拠地を吐かせなければならん。逃げられない様にするんじゃ。」
丹平
「はい、博士。よーし、目を回してやれ。」
==>
丹平はレバー下のボタンを押す。クワガッタンのクワが横へ回転する。クワに挟まれてる円盤も一緒に回る。
デベソ
「目ーがー回る、目ーがー回る、お天道様まで回ってる…。目ーがー回って、目ーがー回って、異次元トンネル行っちゃうよ。」
==>
デベソは無造作に手の近くのボタンを押す。円盤は消える。木江田一同はクワガッタンの操縦室のモニターでそれを見る。
ペラ助
「あっ、円盤が消えたペッチャ!」
チョロ坊
「畜生!逃げやがったか。」
丹平
「博士、どうしますか?」
木江田
「この現地に生存者が居るかどうかを確認するしか無いじゃろう。敵に逃げられた以上、直接聞き出す事はもうできなくなった。どんな風に現れて、どんな戦法で攻めて来たのかをわし等は知っていかなければならん。これからもボカンで敵と相対する事になるのじゃろうからのう。」
丹平
「そうか、判りました、博士。生存者を上空から探します。」
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丹平はレバーを引く。クワガッタンは右へ大きく旋回する。操縦室のモニターが真下の景色を映し出す。破壊された町ばかり映されている。クワガッタンは森の方へ飛んで行く。森の中の草原で、数人がこちらに手を振っているのが映る。
淳子
「あっ、人が居るわ!助けを求めてるんじゃないかしら。」
木江田
「丹平君。着陸してくれ。」
丹平
「はい。」
==>
クワガッタンは高度を下げて行く。そして、飛行ポーズから着陸態勢に四脚を動かせて、クワガッタンは着陸する。背部のプロペラは回転が遅くなっていき、プロペラの羽根がクワガッタンの胴体左右の位置で止まって、後方へ二枚の羽根が着いて、そのままエンジン部を隠す様に下がって行く。クワガッタンの窓から、一同は出て来る。
男@
「敵を倒していただき、有難う御座います。あなた方は人間なのですか?」
木江田
「わし等は過去から来た者じゃ。ボース人が未来の地球に攻撃を加えてるという情報を入手して、駆けつけて来たのじゃ。この者達は、わしの研究所のスタッフで、わしは木江田と言う者じゃ。早速じゃがボース人のボース星を存じませぬか?」
男@
「俺達も判りません。突如奴らは出現して、俺達の町に奇襲をかけてきたのです。最初は何が起きたのか判りませんでした。ただ、昆虫型のメカが俺達を守る為に奴らと戦って下さってる事だけは判っておりました。本当に有難う御座います。俺達は、あなた方のメカの修理を是非させていただきたいと思っておりますが、手伝わせてもらえませんでしょうか?」
木江田
「そうですか?それは有り難い。宜しく頼みますぞ。」
==>
木江田一同は彼らに歩み寄り、彼らと握手する。彼らも集まりながら歩み寄ってくる。
ナレーター
「ボース人は何が目的で地球の未来ばかりを狙うんだろうね。木江田チームの戦いはまだ始まったばかり。ボース星はいつかきっと、見つけられるよね。それじゃ、バイバイ。」

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★第一話:「ボース星人との遭遇だペッチャ」 新タイム・ボカン/BIGLOBEウェブリブログ
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